上野動物園のパンダ舎は、正面の入り口そばにある東園のパンダ舎と、2020年9月8日にオープンした西園の「パンダのもり」の2カ所である。少し前、上野動物園のパンダを観に行った。その時公開されていたパンダは、2017年6月12日生まれの「シャンシャン(香香)」、シャンシャンのお母さんである2005年7月3日生まれの「シンシン(真真)」、シャンシャンの弟、妹となる2021年6月23日生まれの双子パンダ、「シャオシャオ(暁暁)」と「レイレイ(蕾蕾)」の4頭だ。(2005年8月16日生まれのお父さんパンダのリーリーは非公開)、シャンシャンは東園のパンダ舎、シンシン、シャオシャオ、レイレイは、西園の「パンダのもり」で公開されていた。パンダを観るには、インターネットで、抽選に応募し、当選する必要がある。私は、10回以上、抽選に申し込みしてやっとこさ、当選した。

シャンシャンは、2017年2月に、両親が交尾に成功し生まれた子供。シャオシャオ、レイレイは、2021年3月、15歳(人間の年齢に換算すると45歳)になった両親が4年ぶりに発情し交尾に成功し生まれた子供。ジャイアントパンダ(以下パンダ)の発情期は、1年に1回、3月~5月ごろの約14日間、4歳から8歳で性成熟を迎え、20歳前後まで繁殖できる。 妊娠・育児中は発情が止まるため、パンダの妊娠間隔は2~3年で、一度に出産する子の数は、通常、1頭か2頭。生涯に生む子供の数は6頭ほど。また、パンダの妊娠期間は3か月から6か月。動物は、通常、進化が高いほど、また体が大きいほど、妊娠期間は長くなる傾向にあるが、パンダは、ライオン(妊娠期間:110日)同様、体が大きいわりには妊娠期間が短く、生まれた赤ちゃんはとても小さい。リーリーとシンシンが4年ぶりに、発情したのは、シャンシャンの子育てが終わった上に、飼育面積が広い「パンダのもり」で暮せるようになった居住環境変化の影響もありそうだ。ちなみに、5年前の今日(2017年5月18日)は、上野動物園が、シャンシャンの妊娠の兆候(食欲の減少と休息時間の増加などの行動変化)を発表した日であった。

さて、ここからは、私のパンダ観覧の足取りを追いながら、解説する。
まずは、東園のパンダ舎のシャンシャンシャンを観覧。
シャンシャンは、後向きで寝ていたので、観れたのは大きな背中だけだった。パンダのメスは4~5歳で大人になり約100kgに、オスは6~7歳で大人になり約120kgに成長する。シャンシャンは、もうすぐ5歳で体重は98.2kg(2022年4月25日時点)、もう大人である。

その後、西園の「パンダのもり」に移動。
「パンダのもり」は、パンダのふるさとである中国四川省をモデルに、木や岩、水場を再現したエリアで、室外施設は、パンダ舎のようにガラスでおおわれていないため、開放的な雰囲気がある。しかし、残念なことに、観覧の日は、雨天。天候のせいだけではないかもしれないが、パンダ3頭を観れたのは、同エリアにある室内施設であった。パンダのもりの観覧時間は厳格に制限されていて、1人あたりの観覧時間は、1~2分程度。目の前に、双子パンダがいるのはわかったが、木の枝の上でお昼寝中で、顔がほとんどみえない。しかし、ガラス越しにうつる丸いお尻だけみていても、ほほえんでしまうかわいらしさ。癒された。生まれたてのパンダの体重は100~200gの手のひらサイズなので、双子もずいぶん大きくなった。でも、大人パンダと比べればはるかに小さくて、毛並みがふわふわしていて、大きめのぬいぐるみのようだ。パンダは、1歳で30キロ程度のサイズになり、永久歯が生えそろい、竹が食べられるようになる。その後、2歳で約60kg、3歳で90kg程度に、倍々に成長する。 

2匹仲良く、寄り添いあってお昼寝 

お母さんパンダのシンシンは、双子と同じ室内施設にいたが、休む暇なく、シロクマのように、施設中を右回りぐるぐる動き回っている。ストレスによる常道行動であろうか?動物園の動物は、野生動物のように厳しい環境にさらされることはないが、動物園暮らしならではのストレスもあるのかもしれない。大勢の人間がガラス越しに、双子パンダにスマフォをむけてカシャカシャ写真とっているのだから、母親としては落ち着かない気持ちもあるのであろう。動物園は、人間が動物をみるために作られた施設ではあるが、みられる動物のストレス度合いはどれほどのものなのか、気になる。パンダの寿命に関しては、野生パンダは20年くらい、人間に飼育されているパンダは30年ぐらいである。

 お母さんパンダのシンシンの体重は5月5日時点では、130.4kg
(2022年4月25日時点で、リーリーの体重は145.6kg) 

パンダ観覧後に直進したのは、園内の売店である。パンダとハシビロコウの商品が目をひく。パンダ関連商品でおもしろいのが、赤ちゃんパンダのぬいぐるみ。生まれてまもない、シャンシャン、シャオシャオ、レイレイの実際の体重と同じ重さのぬいぐるみが販売されている。


 (棚の最下段)124g(日齢1日)と286g(日齢13日)のシャオシャオ、146g(日齢1日)と319g(日齢13日)レイレイのぬいぐるみ

なお、5月13日の動物園のニュースによると、シャンシャンの中国への返還期限が、2022年6月30日から、2022年の12月31日に延長されたとのことだ。6月には、シャンシャンが5歳、双子のシャオシャオとレイレイが1歳の誕生日を迎えるため、6月の上野動物園はお祝いムードとなる。

 

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