By 細村マリリン ON 2023/08/26(土)
カテゴリ: 本・映画・エッセイ

大食いタレント「高橋ちなり」さん死去報道をきっかけに、大量飲酒、食事の過剰摂取が体に及ぼす影響について考えてみた。

2023年7月21日、大食いタレント、高橋ちなりさんが亡くなった(享年30歳)。ちなりさんは、スレンダーな美人。ネット情報だと、身長163cmで40kg。モデル体重を下回る体重で痩せすぎともいえるが、スリムな体に似合わず大食いなことで人気があった。

ちなりさんのデビューは現役大学生時代。「女子大生フードファイター」として人気者になり、テレビ東京の、「元祖!大食い王決定戦」、「デカ盛りハンター」など、人気大食い番組に出演していた。日本では、痩せの大食いタイプの女子たちが、大食い番組の人気を支えているのである。
YouTubeチャンネル「高橋ちなり【大食い酒飲み愛煙家】」は、チャンネル登録者4万人を超える人気チャンネルである。最後にアップロードされた動画「【大食い】ジョナサンで好きなだけ食べて飲む【mukbang】【大胃王】」は、約40万回再生されている。私もYoutubeで料理番組をやっているが、1万件の再生数を獲得するのもとてもたいへんなので、ちなりさんの知名度や人気がどんなにすごいものであるか、よ~くわかる。

ちなりさんの死因については未発表であるが、昨年12月10日のちなりさんのツイッターの投稿には、(https://twitter.com/Chinari_Leah/status/1601410828934467585 を引用) 
「腰の圧迫骨折+拒食気味の為入院2週間目。食欲は回復しご飯は全部食べれるように。(むしろ足りないから差し入れ食材もめっちゃ食べてる←w) しかしガンマGTP(肝臓)の値が平均は70とかなのに私2700とかで今度はそっちが原因で入院続くことになりました…アル中なのが原因の為しばらく断酒です。」
と記載されており、骨折だけではなく、肝臓病、拒食気味で、昨年末、体調がよくなかったことがうかがえる。
ちなりさんは、自身のPRポイントを「大食い酒飲み愛煙家」としているため、人気を維持するために、体にかなり負担をかけていたのではないかと思われる。
お酒はGTPをあげ、肝臓病の要因になる。大量飲酒で体になにもダメージが残らないはずはない。今年は暑いので、私もついついお酒に手をのばしがちだが、お酒が体にいいわけはないから、自制が必要だ。肝臓や腎臓は、沈黙の臓器。障害が起きても自覚症状がなかなか現れないため、自覚症状がでた頃には、既に病気が進行しているといった場合が多い。

また、摂食障害というのは、非常に深刻である。少し前に、愛犬と一緒にカフェで食事をしていた時、相席となった若い男女(男性2人、女性1人)の会話が、耳にはいってしまい、聞きたくもないのに、聞いてしまったことがある。女性は痩せすぎ体質の人であったが、男性達に、「自分は太るのがいやで、食べてもその後トイレにいって意図的に吐いてしまう。拒食症で病院に通っているが治らない。今、サプリで栄養をおぎなっている」と話していた。ローマ時代の上流階級は、美味しいものをたくさん食べるために、食べては吐くのが日常だったという説もある。食べたい気持ちと太りたくない気持ちの葛藤で、吐くといった行為をしてしまう。しかし、吐く行為は常習化すると危険だ。嘔吐行為を繰り返すと、逆流性食道炎などの疾患リスクを上昇させるし、栄養を体が吸収していないわけで、栄養失調になったり、内臓だけではなく、歯や髪や皮膚に悪影響を与えるのは目に見えている。

ギャル曽根さんのように、大量に食べても排出はスムーズ、腸内に食べたものがとどまない特殊体質の人であれば、たくさん食べても大丈夫なのだろうが、多くの人は、食べすぎれば太る。吐く人は、太る恐怖心、太った時の体への影響力から吐くのであろうが、食べたものを吐くぐらいだったら、吐かないで済む量を味わって食べた方が体によいに決まっている。

大概の人は、食べたいけれど太りたくないのだ。太るのは簡単でやせるのは大変だからだ。私も最近太ってきたので、なぜ太るのかを考えてみたが、日常が思い通りに進まないフラストレーションを抑制する手段として、食事や飲酒に過剰なほどに手をだしてしまうからだ。体型がかわったことでこれまでは着こなせていた洋服を着ても、なんだかだらしなくみえて冴えない。食事や飲酒をフラストレーションのはけ口にしても幸せにはなれないことを自分に言い聞かせることが必要だ。飲食は、人生の楽しみではあるが、年齢とともに基礎代謝が鈍化してくるわけで、「量ではなく質で食を楽しむ」ようにしていくべきでもある。また、こころの持ちようも大事。こころの状態と欲望は相関関係にある。人生は良いことづくめではないから、悪いことがあっても人生とはそういうものだと思ってあまり気にしないことが必要だ。「いい時も悪い時も「今ここ」を精一杯生きる。逆境があるからおもしろい」という禅の教えがある。精一杯生きるということは、欲望のままに、精一杯食べる、精一杯お酒を飲むということではない。

高橋ちなりさんの死去報道から話が拡散しましたが、最後に、高橋ちなりさんのご冥福を心よりお祈りいたします。

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