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【movie77 】本物の友情を築くには、本音をぶちまけあうことも必要。子供達の演技が光る野球映画「バッテリー」。

【movie77 】本物の友情を築くには、本音をぶちまけあうことも必要。子供達の演技が光る野球映画「バッテリー」 本物の友情であれば、衝突の向こう側に本当の友情が存在することを信じさせてくれる映画

  メジャーリーグ「ロサンゼルス・エンゼルス」大谷翔平選手の快進撃が止まらない。ネットニュースでも、テレビ放映でも、大谷選手を目にしない日はないぐらい。彼は世界のメディアも虜にしている、本当に天才、日本の宝、大物だ。そんな大谷選手の影響か、私も、野球に対する興味が膨らみ、野球を題材とした映画をよく観るようになった。いずれ、大谷選手も映画のヒーローになるに違いないと思いながら・・・。

野球映画は、洋画では、「メジャーリーグ」、「メジャーリーグ2」、「メジャーリーグ3」、「人生の特等席」、「フィールド・オブ・ドリームス」、「がんばれ!ベアーズ」、「夢を生きた男/ザ・ベーブ」、「マネーボール」など。邦画でも10作品以上存在する。
そんな野球映画の中で、私がチョイスした今日の映画は「バッテリー」。「バッテリー」は、野球を題材とした青春邦画。本物の友情を築くには、時には、衝突を恐れず本音をぶちまけあうことも必要であり、友情が本物であれば、衝突のあとに友情は深まるものであると信じさせてくれる映画だ。

「バッテリー」の原作は、のべ1000万部を超える「あさのあつこ」さんのベストセラー小説。2007年に映画化し、興行収入15億円を突破した。また、メガホンをとった滝田洋二監督は、2008年に封切られた「おくりびと」でもロングランヒットを飾り、第81回アカデミー賞で外国語映画賞(現在の国際長編映画賞)を受賞した。岡山を舞台にしたこの映画のよさは、なんといっても、キャスト。AKB48のセンターを経て女優に転身した大島優子さんと結婚した林遣都(はやしいくと)さんが主役で適役、素晴らしい演技だ。病弱な弟にかかりきりの両親を持つ孤独で笑わない少年巧を演じた。巧は天才ピッチャーの素質を持つもののまわりの人達との調和を考えず徹底的に自分の考えを貫く強情な性格、野球部の監督の言うことさえも納得しなければ受け入れない。それゆえ、他人の自尊心を傷つけることもあり、先輩部員から敵対視され、ひどいいじめに合う。巧の目つきは笑わず鋭い。そのクールでまっすぐ目は視聴者を釘付けにする。投手の巧とバッテリーを組むのは豪。豪は努力家で明朗、笑顔がまぶしい好青年。豪の笑顔のオーラによって、巧のとげとげしい雰囲気が和らぐ。豪の極上の笑顔はこの作品をさわやかな雰囲気に仕上げる底力になっている。人は映画を観るとき、登場人物の中で一番自分に似た人物に心を寄せるものだ。私がバッテリーで一番気になった人物は、豪。豪は、巧の剛球をキャッチすることができなくても、落ち込みを顔にださない。場の雰囲気づくりに長けている。バッテリーには、「運動部では実際そういうことある」と共感する場面が多々ある。力量の違う者通しでバッテリを組んだ時に生ずる優劣意識と不調和。部員内における見下しややっかみ、いじめの問題をどのように解決していくべきなのかを考えるきっかけを与えてくれる。

バッテリーの主演俳優は、以下の通り。
林遣都:主人公の原田巧役。天才投手として活躍するが、孤独で意地っ張り。
山田健太:永倉豪役。巧のバッテリーを組むキャッチャー。巧とは対照的で明朗で努力家。
鎗田晟裕(やりた あきひろ):巧の弟の青波役。病弱で両親がかかりっきりであるが、実は兄想い。
天海祐希:巧の母親の真紀子役。青波を溺愛しすぎ巧との間に確執があったが最後には打ち解ける。。
岸谷五朗:永倉正役。巧の父親、穏やかな性格、青波にかかりっきりだが、心の中では巧を理解し信頼している。
菅原文太:巧の祖父の洋三。かつては甲子園の出場高校の名監督。巧の一番の理解者。
萩原聖人:野球部の顧問の戸村。管理野球を徹底しようとする。巧の才能を一瞬で見抜く。

この映画の主題とは少しづれるが、競争はなにもスポーツの世界だけでない。社会に身を置き続ける限り、人は競争社会の中で自分と他者との比較や価値観の違いに悩む。周りの人と自分を比較をする気持ちが、自分と他者との関係をぎくしゃくさせたり、中傷や差別を生む。世の中は「栄枯盛衰」だから、どんな人でも、勝負に勝ち続けることは難しい。負け続けの人生になることだってあるし、得ることが少なくて失うことが多い人生になる場合もある。どんなに負けても、自分はダメな人間だとは思わず、自分なりにがんばればいいのだと気持ちに切り替えることが必要だ。建築家の安藤忠雄氏の著書「連戦連敗」は、様々なコンペで負け続けた安藤忠雄氏が、それでもあきらめず、チャレンジを繰り返していった結果、スランプを脱出した話であるが、負けても立ち上がるくじけない気持ち、心のしなやかさが大切なのだ。映画バッテリーに主題歌は、熊木杏里さんの「春の風」。癒しの声と癒しのメロディで、心がほっとする曲だ。

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2024/11/21(木)