歌にダンス、目を見張る感動！「グレイテスト・ショーマン」

What’s waited till tomorrow starts tonight.（もう明日も迷わない。今夜始めよう）

「グレイテスト・ショーマン」は、19世紀のアメリカで「地上最大のショー」を創り上げた実在の興行師、P・T・バーナムの波乱に満ちた人生を基にした感動的なミュージカル・エンターテイメント作品。
絶対みたほうがいいシネママイリストTOP２０にはいっている名作、お勧めしたい。

あらすじ

貧しい仕立て屋の息子として育ったバーナム（ヒュー・ジャックマン）は、良家の令嬢チャリティ（ミシェル・ウィリアムズ）と恋に落ち、周囲の反対を押し切って結婚。ニューヨークで慎ましい生活を始める。勤務先の倒産をきっかけに、バーナムは「バーナム博物館」を設立。蝋人形や珍しい展示物を並べるも、観客の関心は薄く、失敗に終わる。その後、バーナムは「人と違う個性を持つ人々」を集め、歌や踊り、曲芸を取り入れたショーを開始。髭の女性や小人症の男性など、社会から疎外されていた人々が舞台で輝き、観客を熱狂させる。ショーは大ヒットするが、バーナムは、上流階級からの評判に気にかけ、上流階級層を意識したショービジネスに傾倒、ヴィクトリア女王に謁見した際に知り合った、スウェーデンのナイチンゲールと呼ばれているオペラ歌手ジェニー・リンド（レベッカ・ファーガソン）をアメリカに招き、ジェニーの歌で上流階級の心を掴む。この成功によって、バーナムは社交界の名士に仲間入りを果たす。しかし、その成功の裏で、彼はこれまで築き上げてきた大切な家族や個性的な仲間たちとの絆を見失っていく。
その後、ジェニーの全米ツアー中、バーナムはジェニーの恋愛感情を拒否したことでジェニーのプライドを損ねてしまい、ジェニーから契約を打ち切られてしまう。ショーによる収益が出る前にジェニーにツアーを打ち切られてしまったバーナムは、借金を返せず破産状態になる。さらに、地元に戻ったバーナムは、サーカス劇場の焼失という悲劇にみまわれ、家を差し押さえられ、ジェニーとのスキャンダラスな写真がニューヨークの新聞一面にのっったことをきっかけに、妻の信頼も失ってしまう...失意にあるバーナムを支えたのは、サーカスのメンバーたち。サーカスのメンバーたちは人と違う個性により社会から疎外されて生き、サーカスに「家」を感じ、「家」を築いたバーナムに感謝していた。サーカスのメンバーたちにより、気力をとりもどしたバーナムは、妻との絆を修復し、上流階級出身パートナー、フィリップ・カーライル（ザック・エフロン）による資金支援により、再起を果たす。フィリップも、バーナムそしてサーカスのメンバーによって、上流階級意識を捨てた一人である。そして最終章、再起を望むバーナムの心には一寸の見栄も曇りもなく、よきショーさえできれば劇場さえもいらないという、純粋にショーだけに向き合う気持ちになっていた。野外にテントを張ってはじめた巡業は大成功。シルク・ドウ・ソレイユ（みたことないがそんなイメージ）のような華やかなキラキラひかる夢の世界が、テントの中に広がった。その時点では、バーナムはなにが自分らしさで、なにが幸せで、なにが大切なのか、気がついていた。

見どころ・テーマ

この映画の見どころは、音楽とダンス。 主題歌「This Is Me」をはじめ、力強く心を揺さぶる楽曲が物語を彩る。特に「A Million Dreams」や「The Greatest Show」を歌うシーンは、聞いているだけで胸の底から感動がわきあがってくる名シーン、私は、ジェニー・リンドが歌う「Never Enough」（ロレン・オルレッド による吹き替え）を聞いた時、呼吸が止まるほど衝撃的な感動に包まれた。
作品全体を貫くメッセージは、「逆境を跳ね返す力」、「夢を追う勇気」、「多様性は個性」、「いざというときに手を差し伸べてくれる繋がり」。エレファントマンのような奇形で生まれた人達を客寄せの道具にする、そしてそれらの人たちを差別するどうしようもない人たちが多数いて、差別の現実があり、世間の風当たりが強いことに心が痛む場面が要所にあるが、社会から疎外されたサーカスメンバーが、これが私（「This is me.」 ）と胸張って舞台で輝く姿は、自分の存在を誇りに思う力強い宣言、コンプレックスが邪魔して自分らしく生き切れていない人たちにはぜひみてほしい。この映画は、挑戦する勇気を与えてくれる。
史実のバーナムは、銀行融資や自身の商才で資金を調達し、博物館やサーカスを拡大した人物。