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【movie66】素晴らしき哉、人生!
年末のクリスマスの時期に、よく、再放送される作品である。何度かみているが、結末がわかっていても、最後は泣いてしまう。感動する映画ベスト100にはいる名作、白黒映画の傑作、人生のバイブルだ。
ジョージの父親は、建築貸付組合を経営し、住宅資金がない町民のために貸付業務を行っていたが、ジョージ(ジェームズ・ステュアート)は、街を離れ、世界中を旅し、ビックな建築家になる夢があり、父の仕事を継ぐ気は全くなかった。
しかし、父親が急死し、町一番の富豪ヘンリー・ポッター(ライオネル・バリモア)が、組合をつぶそうとしたため、ジョージは、家業を守るため、家業を継がざるおえなくなり、大学進学をあきらめる。弟のハリー(トッド・カーンズ)は大学にいかせた。ジョージは、弟が、大学卒業後、家業を引き継いでくれることを期待した。しかし、ハリーは、大学卒業後すぐに結婚、結婚相手の父親の会社で働くことになる。ジョージは、その後、幼馴染のメアリー(ドナ・リード)と結婚する。
婚礼の日、ポッターは再び、組合つぶしの策略を講じたため、ジョージは、ハネムーン費用を、会社の窮地をしのぐために使うはめになる。しかし、新婚生活は貧しくも幸せで、4人の子宝に恵まれる。ジョージは新たに宅地開発を行い、町民に安価で住宅を提供するサービスを展開した。そのサービスは、法外な家賃を取っていたポッターの借家ビジネスに打撃を与えることとなる。
第二次世界大戦も終わり、1945年のクリスマスイブの朝、叔父のビリーは、銀行に預ける会社の資金8000ドルを紛失する。その日は、会社の監査の日、8000ドルの資金がないと会社は潰れ、ジョージは破滅してしまう。8000ドルは見つからず、金策に困り果てたジョージは、自分の生命保険目当てに、自殺しようとする。そこで軌跡が起こる。翼がない二級天使のクラレンス(ヘンリー・トラヴァース)が、ジョージの自殺を止めにはいったのだ。
ジョージは、クラレンスに、「自分がいない方がみんな幸せになっただろう。生まれて来なければよかった」と打ち明ける。
クラレンスは、ジョージに、ジョージが生まれていない過去世界をみせる。その世界では、弟、叔父、薬屋の主人、メアリー、お金を貸した町人・・・・、ジョージの知り合いは不幸になっていた。クラレンスは、ジョージに、「一人の人間の人生は大勢の人生に影響を与えているんだ」、「君は本当に素晴らしい人生を送ってきたんだ。」と畳みかけるように伝える。クラレンスは、人は、みんな影響しあいながら生きていて、いなくて良い人間は一人もいない。だから、途中で人生を逃げ出してはいけないことを、ジョージに、気づかせたのであった。
ジョージが現実世界に戻ると、メアリーが声をかけた街のみんなが、ジョージの家に集まり、みんなの寄付で失った8000ドル以上のお金が集まる。寄付金の中には、「Remenber no man is a failure who has friends.(友あるものは残敗者ではない)」と記された本があった。クラレシスが残したメッセージだ。
ポーターは、富の力で人を支配し、競合をつぶすことで、市場を独占しようとした。徹底的な利益至上主義で、社会貢献は二の次、人に冷酷で善意の微塵もない。ジョージは、社会貢献が第一で利益は二の次、金銭的には裕福ではないが、人間関係はだれよりも豊かだ。人のためを考えて行動する、その思いやりの気持ちは、人の心に響く。だから、自分が本当に窮地に陥った時、人はジョージを見捨てない。力になりたいと思う。ジョージとポッター、どちらが豊かな人生なのかは、明白だ。
この作品は、1900年~1945年ぐらいの間の昔の出来事であるが、ジョージは、今、着目されている「環境問題・差別・貧困・人権問題をなくすSDGs」の取り組みを自然としていたといえよう。
ショージ役のジェームズ・ステュアートは、ヒッチコックのお気に入り男優である。
ヒッチコック作品では、「ロープ」、「知りすぎていた男」、「めまい」、「裏窓」の4作品で主演している。ジョージの人生を魅力的に輝かせているのは、メアリーを演じるドナ・リード。貧しい生活を払拭させる気品に満ちた美しさには目が釘づけになる。おもわず見とれてしまう、可愛くも上品な美しい人である。
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