カシュニの滝は、知床岬とカムイワッカの滝の真ん中に位置している。
カシュニは、アイヌ語で「板小屋のある場所」。かつてアイヌがウトロから知床岬へ縦断する際、足を休めた場所だ。現在、知床半島には、陸路で人が進める道がない。カシュニの滝などの断崖の絶景、知床半島に生息するヒグマなどを観たい場合は、ウトロ港から出る観光船を利用するしかない。
消息を絶った「KAZU I(カズワン)」の観光コースは、知床岬コース。知床岬コースは、ウトロから「カシュニの滝」をめぐり、知床半島の先端で折り返し、ウトロ港に戻る3時間コースだった。札幌管区気象台は、同日23日の午前9時42分に、「3メートル以上の波の高さが予想される」と、波浪注意報を出していた。しかし、運営会社「知床観光船」の経営者は、その情報をキャッチできていなかったようだ。(27日の社長インタビューより推測)。KAZU Iが、ウトロ港を出港したのは23日午前10時頃。ウトロ港の波の高さは30センチ余りで、風も強くはなかった。運航会社は、出航後、船を壊しのみ込むほどの大波がくることを予測できていなかった。
しかし、正午過ぎから波が急速に高まった。観光船から無線で連絡を受けた別の運航会社が海上保安庁に救助を要請した午後1時13分ごろの波の高さは2メートル余り、観光船から直接海上保安庁に118番通報があった午後1時18分ごろは3メートル近くになっていたという。浸水発生地は、カシュニの滝付近。乗船者26人のうち、11人の死亡が確認されている。
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1997年にセバスチャン・ユンガーが実話を元に執筆したノンフィクション小説『パーフェクトストーム -史上最悪の暴風に消えた漁船の運命』が原作。1991年秋の大嵐で行方不明になったアンドレア・ゲイル号に乗船し海に消えたクルー達を描いている。クルー達が船上で自分達の命を守るジャッジができる機会は2度あったが、そのジャッジを誤ってしまい、命を失ったのだと思った。だれにだって、生きて入れば、命に係わるジャッジの機会が訪れる可能性がある。その時、瞬時に、命を守るジャッジをするためには、どのような心持でいたらいいのかを教わったような気がする。
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