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作品は魂の叫び!作品に人間の内面を表現した彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジ
ジュリアーノ・ヴァンジは、現代イタリアを代表する具象彫刻の巨匠。人間の感情の複雑さを具体的な形によってあらわす、彼独自の彫刻を探求。彼は、マルティーニ、マリーニ、マンズーといった戦後イタリア具象彫刻の流れの先端に位置する巨星であると評価されている。移ろいゆく時代のなかで変わるものと変わらぬものを見極め、数々の自分の魂の表現として作品は生み出してきた。彼の作品は魂の叫び、だから、観る人の心に突き刺さり残る。
1. 生い立ちと初期の作品
ジュリアーノ・ヴァンジは1931年3月13日、イタリアのトスカーナ州フィレンツェ近郊のバルベリーノ・ディ・ムジェッロで生まれた。幼い頃から絵や彫刻に興味を持ち、1946年にフィレンツェ国立美術学校に入学し、ブルーノ・イノチェンティに師事。伝統的な彫刻技法を学んだ。
1952年に同校を卒業後、ヴァンジは抽象彫刻の制作に没頭、当時の作品は、金属や木材などの素材を用いた幾何学的な形態が特徴だった。ペーザロの美術学校で教鞭(きょうべん)をとった後、1959年には、奨学金を得てブラジルへ渡る。
2. 具象彫刻への転換
ブラジル滞在中に、ヴァンジは人間の存在をテーマとしたの制作を開始した。これは、彼がブラジルの人々の生活に触れ、人間の喜びや苦しみを目の当たりにしたことがきっかけだ。1962年にイタリアへ帰国後、ヴァンジは具象彫刻家としての活動を本格化させた。彼の作品は、大理石やブロンズなどの素材を用いた、人間の内面を表現する力強いスタイルが特徴、代表作は、「叫び」、「沈黙」、「祈り」など。
3. 国際的な評価
ヴァンジの作品は、イタリア国内外で高評価を得ており、世界中の美術館で展示されている。1986年には、ヴェネツィア・ビエンナーレで彫刻部門の金獅子賞を受賞した。2022年には、第14回高松宮殿下記念世界文化賞・彫刻部門を受賞している。
4.ヴァンジ彫刻庭園美術館
ヴァンジ彫刻庭園美術館は2000年に開館された。この美術館は、ヴァンジ自身が設計したもので、彼の作品約200点が展示されている。四季折々のクレマチスの花が咲くガーデンで現代作家の企画展や文化的イベントなどを行う複合文化施設として活動してきたが、2023年9月30日、閉館となった。2021年10月に静岡県に対し無償譲渡を含む支援要請を行ったのち、2022年12月26日から休館。クラウドファンディングや休館中の特別企画の開催など、美術館の存続に向けた取り組みを行ってきたが、支援要請の結論が出ず、運営継続が困難となった。
自然とアートが融合した《ヴァンジ彫刻庭園美術館》 | Discover Japan | ディスカバー・ジャパン (discoverjapan-web.com)
4. 晩年
2024年3月26日、イタリアのトスカーナ州ピザーロで亡くなった。享年93歳。
5. 参考文献
ジュリアーノ・ヴァンジ - 高松宮殿下記念世界文化賞
ヴァンジ彫刻庭園美術館
ジュリアーノ・ヴァンジについて | ヴァンジ彫刻庭園美術館 (clematis-no-oka.co.jp)
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