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【movie80】ハチ公だけではない。石岡駅で飼い主を待ち続けた忠犬の生涯を描いた「石岡タロー」
映画「石岡タロー」は、子犬の頃の飼い主(少女)への愛と忠誠心を貫いた犬の一生を描いた実話だ。茨城県での先行上映では、来場者数1万人を突破。多くの映画賞を受賞し、東京での上映が決まった。石岡出身の先輩から「タローは、私が小学生の頃、学校全体で世話をした犬だった」と伺い、私は、学校で育ったタローのことをもっと知りたくなった。厚手のハンカチを持っていざ映画館へ・・・。
映画を観て
2024年3月31日、池袋シネマ・ロサでの上映では、舞台挨拶があり、記念撮影のために主演の犬達が総動員でかけつけてくれた。舞台挨拶で、石坂アツシ監督は、「主役の犬は保護犬(3頭中2頭) 」、「犬種にこだわった(ビーグルミックス) 」、「時代考証に基づき、街並み、環境音、車種、衣装、生活スタイルなど、昭和を再現した 」などの制作エピソードを語られた。また、校長先生役の山口良一さんは、「タローの話がすごくいいので、できれば自分がタローの役をやりたかった」と語り、会場を沸かせた。
私は、先輩からの情報で、あらましが想像できていたせいか、映画が始まるや否や泣けてきた。天使のような愛らしいワンコにこの先試練が待っていると思うと、悲しいシーンでなくても泣けてきた。タローが石岡駅に通うシーンが何度も登場する。そのシーンはさらに私の涙を誘った。タローが駅に行っても飼い主に会えないのに、駅に通うタローが不憫でならなかった。老衰により足の動きがおぼつかなくなった17歳のタローが駅に向かうシーンはさらに切なく胸が張り裂けそうになった。そして、私の手に握りしめたハンカチがびちゃびちゃになった頃、ストーリーは結末を迎えた。エンドロールが終わった後、だれからともなく拍手が始まり、館内が拍手喝采で響き渡った。なんという共感、素晴らしい体験!!
鑑賞中は、タローと地元人との触れあいに心が温くなり、健気なタローのきれいな心に触れ、涙がとまらなかった。タローの生涯には、悪いこともあればいいこともあった。しかし、トータルで考えたらいい一生だったかもしれない。タローは、少女と別れた後、地域コミュニティの中で子供や大人にかわいがられ育った。天涯孤独ではなかった。また、タローは長生きだ。飼い主に再会する夢、目標があったからこそ、それが生きる原動力になっていたのではないかと思う。
本作には、小学校でタローと過ごした子供達やタローを支えてきた地元民との連帯感が脈づいている。タローの映画でもあり、地元民の映画でもある。地元民の思い入れが詰まっていて、商業映画にありがちな奇をてらった感じがなく、インディーズ映画さながらの手作り感、その時代の一般の人、生活者をそのまま映した素朴な感じ、自然な感じがあった。
本作は、クラウドファンディングで資金を集めてつくった映画。多くの個人の協賛者の名前がスクロールする、長いエンドロールだった。
★「石岡タロー」の東京上映は、池袋シネマ・ロサ にて、2024年3月29日(金)より2週間
あらすじ
昭和39年、茨城県石岡市立東小学校の用務員さんの娘さんが怪我をしている子犬を発見した。その子犬はタローと名づけられ、校内の用務員宿舎で飼われた。タローは、毎朝、登校してきた児童を出迎えし、児童の授業時間には1年生の教室をすべて見回り参観し、校庭では児童の遊び相手になった。そんなタローの日課は石岡駅に行って待合室で待つこと。昭和39年から昭和56年までの17年間、タローは、毎日朝夕かかさず、学校から駅までの2キロの道のりを歩き、石岡駅の待合室でお座りし改札口を見続け、しばらくすると、また2キロの道のりを歩き学校へ戻った。そして昭和56年、立つことができなくなったタローは、享年18歳で、静かに生涯を閉じた。本作では、タロー(そのころの名前はコロ)が少女と過ごした子犬時代、タローが石岡の小学校ですごした成犬時代、タロー没後の後日談(少女が離れ離れになったコロの消息を知るまでのストーリー)と、時の流れに沿ってストーリー展開する。
フォトセレクト
「石岡タロー」を深く知りたい人のためのページリンク
〇 映画「石岡タロー」公式サイト:
映画「石岡タロー」公式サイト – 17年間駅に通い続けた犬の感動的物語 (ishiokataro.com)
〇 エキストラさん募集広告でみうけられる衣装などへのこだわり:
エキストラさん大募集!! – 映画「石岡タロー」公式サイト (ishiokataro.com)
時代象徴エキストラ募集 – 映画「石岡タロー」公式サイト (ishiokataro.com)
〇昭和40年代の車種選定へのこだわり:
メイキング 〜旧車大集合!〜 を公開しました! – 映画「石岡タロー」公式サイト (ishiokataro.com)
〇廃線になった鹿島鉄道をよみがえさせる過程:
メイキング 〜鹿島鉄道〜 を公開しました! – 映画「石岡タロー」公式サイト (ishiokataro.com)
〇ひたちなか海浜鉄道のホームと小美玉市にある車両で鹿島鉄道シーン撮影
チャレンジその1 – 映画「石岡タロー」公式サイト (ishiokataro.com)
〇クラウドファンディングのお知らせ:
新着情報 – ページ 4 – 映画「石岡タロー」公式サイト (ishiokataro.com)
【17年間待ち続けた一匹の保護犬!】実話を基にした感動映画『石岡タロー』宣伝・配給支援プロジェクトのコレクター一覧 - クラウドファンディングのMotionGallery (motion-gallery.net)
★上映までの道のり
・2020年9月29日:制作発表
・2021年2月13日:クランクイン
・2021年12月16日:クランクアップ(新型コロナの影響で撮影が長引く)
・2022年10月23日:完成披露試写会
・2023年10月20日:劇場公開開始
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