お知らせ・読み物

世界はロシアの戦争犯罪を裁けないのか  Can the world judge Russian war crimes?

世界の戦争犯罪を裁く機関は???

4月3日、ウクライナ検察庁は、ブチャなど首都キーウ近郊の町で、累計410人の遺体を発見したと発表した。
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍による大量虐殺(genosaid)を強調、その主張に対して、ロシアのラブロフ外相は、「フェイクニュース」と否定。ロシアのペスコフ大統領報道官も、「遺体の映像はねつ造された形跡があり信用できない」と主張、ロシア側は、「いかなる非難も拒否する」意向を貫いている。
世界はロシアの戦争犯罪を裁けないのか・・・。
国家間の紛争を取り扱うICJ(国際司法裁判所)は、ロシアに対して、3月16日、「侵攻を直ちに停止しなければならない」仮保全措置を命じているが、ロシアは裁判への出廷を拒否。ICJがロシアの法的責任を認めた場合、判決内容の執行は、国連安全保障理事会が担う。しかし、ロシアは安保理常任理事国に含まれるため、自国への制裁案に拒否権を発動できてしまう。
ICJが管轄する国家同士の紛争とは別に、戦争犯罪を行った個人を捜査・起訴する機関として、国際刑事裁判所(ICC)がある。しかし、ロシアはICCの加盟国ではないため、執行力が及ばず、短期的には実現困難な模様。

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ロシア、国連人権理事会の理事国離脱 Russia withdraws from the UN Human Rights Council

理事国復帰の道を自ら断つロシア

国連の人権理事会は、世界各国で深刻な人権侵害が起きた際に対応を協議する目的で2006年に設置された機関。協議は、スイスのジュネーブで開催され、理事国は47国であった。

4月7日、ニューヨークの国連本部で、国連総会の緊急特別会合が開かれ、アメリカなどが、ロシアの国連人権理事会の理事国としての資格停止を求める決議案を国連総会に提出した。決議案に賛成する国は、欧米、日本など93か国。反対は、ロシア、中国、北朝鮮など24か国。そして、インドやブラジル、メキシコなど58か国は棄権した。結果、棄権と無投票を除いた国の3分の2以上の賛成で、決議が採択された。国連人権理事会の理事国の資格が停止されるのは、2011年に反政府勢力を武力で弾圧していたカダフィ政権下のリビアに続く2例目である。

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米国、ウクライナ政府向けレンドリース法発動。日本は?The Lend-Lease Law for the US and Ukrainian governments is enforced. Japan is?

圧倒的に不利な数で戦わざるおえないウクライナ軍に必要な武器は?

2022年4月6日、米国上院は、「2022年ウクライナ民主化防衛レンドリース(武器貸与)法案」を全会一致で可決した。この法案が、4月22日に米国下院で可決されれば(おそらく可決されるでしょう)、米国は、ウクライナ政府向けに、レンドリース法を発動できる。
レンドリース法は、米国大統領が、「米国の安全保障にとって当該国の防衛が重要」と判断した場合、あらゆる軍需物資を、当該国に売却、譲渡、交換、貸与、賃貸、処分することを認める法律で、ウクライナのドミトロ・クレーバ外相が、2022年2月、米国に発動を要請していた。

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