2019年12月4日、中村哲医師は、アフガニスタン東部ナンガルハル州ジャララバードを車で移動中、武装グループから銃撃を受け、亡くなった。
中村医師は、1980年代から、パキスタンやアフガニスタンで、貧しい人々の診療にあたっていたが、アフガニスタンが厳しい干ばつに見舞われた2000年頃から、独学で土木技術を学び、2003年からアフガニスタンで用水路の整備や農地の再生に取り組み始めた。川から作物を作るために必要な水をひき、余った水は川に返す循環型のシステムにより、乾きはてて荒れた農地に緑をよみがえらした。中村医師の用水路は、およそ65万人の命と生活を支えることとなった。支援だけでしか生きていけなかった貧しい人たちの食料自給を向上させた。
中村医師が残した言葉は、
「水が善人・悪人を区別しないように、誰とでも協力し、世界がどうなろうと、他所に逃れようのない人々が人間らしく生きられるよう、ここで力を尽くします。内外で暗い争いが頻発する今でこそ、この灯りを絶やしてはならぬと思います。」