エミリー(オルガ・キュリレンコ)が、親子ほどに年が離れている妻子持ちの天文学者エドワード(ジェレミー・アイアンズ)に惹かれる理由は何なのか。最初は、尊敬、憧れ。それが発展して恋慕。でも、それだけではない。引き金は彼女の心の闇。彼女は、孤高で、過去の出来事への罪悪感を手放せずにいた。亡くなったはずのエドから、絶妙のタイミングで、メール、手紙、プレゼントが届く。エドの言葉は抒情的。知性と浪漫、エミリーをいとおしむ言葉であふれている。心のこもった、I love you 。その上、神秘的な天文学が会話に絡んでくるものだから、言葉のロマンチック度は急上昇。この映画のテーマを「究極の純愛」ととらえるか、亡くなってまでも「相手を束縛する男のエゴ」ととらえるか、評価は二分するであろう。でも、私は、「究極の純愛」とみてとりたい。映画の冒頭、私は、エドワードをいい年してエロ爺だと思った。しかし、端正な顔立ちと美しい言葉に弱い私は、次第に、彼の言葉に胸を熱くし、その瞳に魅了され、しまいには、エミリーに羨望心を抱いていた。(危ない、危ない。)監督は、イタリアシチリア島出身の、ジュゼッペ・トルナトーレ。名作「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督である。ロケ地も素晴らしい。The CorrespondenceWhy is Emily (Olga Kurylenko) attracted to her wife-...
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Reel#7「リアル・スティール」
仕事で挫折感を味わうことがあった。自己嫌悪で一杯になり落ち込んだ。そんな時、本作を観た。没頭した。興奮した。感涙した。モヤモヤも一掃、スカッと爽快だ。
本作は気分を発散させたい人にお勧め、ロボットボクシングを通じて育まれる親子の絆である。ストーリーは単純明快で、クライマックスに向けて盛り上がる展開、テンポがよい。配給はウィルト・ディズニー、制作総指揮はスティーブン・スピルバーグと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス。ロボットの所作はディテールまでこだわっている。首を傾げるかわいい仕草や、ダンスやボクシングでのしなやかな身のこなしは、まるで人間のよう。ロボット同士の格闘シーンもタイトル通りリアル感満載、大人も子供も、親子で観ても楽しめる作品だ。
Excellent movie#5「ハーモニー 心をつなぐ歌」
本作品は、韓国の女子刑務所の合唱団「ハーモニー」が、コンクールのステージで一番会いたかった人に出会うハートフルストーリー。実在するショウンジュ女子刑務所の合唱団がモチーフ、韓国では観客動員数300万人を超えるヒット作である。受刑者と受刑者を取り巻く人々が織り成す感情模様が心を揺さぶり、感涙を誘う。
一度観て泣けたのでもう一度観たら、二度目も泣けてしまった。
主人公ジョンへは、夫のDVからお腹の子供を守るため夫を殺害し収監。刑務所で男の子を出産しミヌと名づけた。ミヌは天真爛漫に育ち1歳の誕生日を迎えたが、所内での乳児養育期間は生後18 ケ月、身寄りのないジョンヘは、半年後にはミヌを養子に出さなければならなかった。
Excellent movie#8「レナードの朝」
ロンドン・オリンピックでの日本選手団の奮闘ぶりは素晴らしかった。メダルの総獲得数38個、これは2004年のアテネ大会を上回る史上最多の獲得数だ。特に印象に残ったのはチーム戦だ。ねばりのプレーで団結力をアピールした。頂点に上り詰めたメダリスト達に盛大な拍手を送りたい。
アスリート達の切れのよい動きは脳の成せる業、今回は、脳の機能停止で昏睡状態になった患者達とその難病に挑む医師との交流を描いた『レナードの朝』を紹介する。
作者はロンドン生まれの神経学者オリヴァー・サックス。原題は「Awakenings(目覚め)」、本作はサックス自身の経験に基づく実話である。
Excellent movie#6「黄色い星の子供たち」
ナチス占領下のパリ路地裏、胸に黄色い星をつけた少年達が学校に向かう。あの星は何?小学校の紋章?クラブの会員証?いや、違う。ユダヤ人の目印である。
1942 年6月6日、ユダヤ人は、フランスの国命により胸に黄色の星を付けることを義務づけられ、公園、映画館、遊園地、店舗の立ち入りを禁じられる。同年7月16 日早朝4時、フランス警察にユダヤ人1万3千人が検挙され、冬季競技場ヴェル・ディヴで5日間、水も食糧も与えられず放置される。赤十字から派遣された看護師アネットは悲惨な状況に衝撃を受ける。
「ジュラシック」シリーズ新3部作の第2弾。第3弾は2021年6月全米公開予定。オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、第1弾に続き続役。パーク崩壊後のイスラ・ヌブラル島では、火山噴火により、恐竜たちは絶命の危機。そこで恐竜を保護し安全な島に移送する計画が立てられたが、それは見せかけの計画。恐竜を秘密兵器として売りさばく金儲けを企むイーライ(レイフ・スポール)達の陰謀により、恐竜は、北カリフィルニア州のロックウッド邸へ運ばれてしまう。オーウェン達は、恐竜オークションを辞めさせるために、巨大なドーム型の頭蓋骨で頭突きをしまくる新恐竜スティギモロク「スティギー」を利用することを思いつく。このスティギー、ひょうきんものでとっても愛らしい。その後、オーエン達は、インドミナル・レックスに襲われ、絶対絶命の状態になるが、オーエンが育てたヴェロキラプトル4姉妹の長女ブルーに助けられる。ブルーが、育ての親に対する思慕心を持って、レックスと闘ったのかは、想像するしかないが・・・。コロナ自粛が続くこの頃故、アメリカに上陸した恐竜達が、人間の都合で人間界に降りてきて猛威を振うコロナにみえた。Jurassic World: Fallen KingdomThe second in a new trilogy of the "Jurassic" series. The third...
ウィル・スミス(サイファ役)とウィルの子供のジェイデン・スミス(キタイ役)との共演作品。 2013年公開。レンジャーの最高司令官サイファは、最後の任務に息子を同行させたが、二人が乗り込んだ宇宙船は、 小惑星嵐に見舞われ大破し、危険惑星「地球」に墜落。 生存者はサイファとキタイのみ。そしてサイファは致命傷で動くことができない。 助けを呼ぶにも、救難信号の発信機がある船尾は、彼らがいる位置より100km後方に墜落している。発信機を回収しないと二人は助けを呼べずに死ぬ。さてどうしたものか?といった状況下、13歳のキタイが一人、発信器を回収するために危険な旅に赴くといった話である。テーマは、「危険下での恐怖心の克服」。恐怖は現実に存在しない。 恐怖が存在するのは未来を考える心の中だけ。恐怖は想像の産物。想像が恐怖を感じさせるだけで、何も起きないかもしれない。「危険」は実在するが、「恐怖心」は自分次第でコントロールできるといった悟りである。2010年公開「ベスト・キッド」では、超かわいい子供だったジェイデンが、本作でスリムな青年へと成長していた。目が魅力。血筋は争えない、天才子役である。After EarthA co-starring work with Will Smith (role of Cipher) and Will's child Jaden Smith (role of Kit...
動物大好きな私にとって、ギンビス「たべっ子どうぶつ」と森永製菓の「おっとっと」は、食べる時間が楽しいマイベストセラー菓子である。「たべっ子どうぶつ(バター味)」は、どうぶつの形をしたバター味の薄焼きクッキーで、クッキーの表面に英単語が印刷されている。薄型クッキーの表面は、なめらかな舌触りで、塩けがあるバター味。甘すぎないので、いっぱい食べても胸やけがしない。あっという間にひと箱がからになる。一方、「おっとっと(うす塩味)」は、じゃがいも、小麦粉などがはいっている生地を、生きものの形に型抜きし、油をふりかけて焼いた、中が空洞の薄生地が特徴の塩味ポテトスナック。ポテトチップのように揚げていないので、油っぽさがなく、食感が軽い。ひとつずつの粒がとても小さいので、まとめて何粒か食べないと、食べた感じすらしない軽い食感なのだ。「おっとっと」が誕生したのは40年前。
Excellent movie#1「オーケストラ!」
ロシアは、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ストラヴィンスキーなど、偉大な音楽家を輩出した芸術大国。ウクライナも、ピアニストのホロヴィッツ、リヒテル、ギレリス、ヴァイオリニストでは、オイストラフ、ミルスタインなど、音楽に造詣が深い。ところが、ロシアのウクライナ侵攻により、ロシア出身の音楽家は、今、西側諸国で、活動できなくなっている。プーチンと親しいワレリー・ゲルギエフ(ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)は、首席指揮者を解任された。ロシアの芸術家は、世界に活動の場を築いてきた。しかし、今、戦争のせいで排除されている。映画「オーケストラ!」は、古い映画であるが、未来に起こりうるストーリーでもある。
舞台は、ブレジネフが書記長であった旧ソ連。共産主義政権下、国家はユダヤ人排斥政策を強行、多くの命が奪われた時代であった。映画の主人公は、ロシア人の中年男アンドレイ。アンドレイは、ボリショイ交響楽団の首席指揮者として名声の絶頂にあったが、追放対象のユダヤ系楽団員をかばい、指揮者の座を追われ、30年間、ボリショイ劇場の掃除夫として、満たされない日常を送っていた。ところが、ある日、アンドレイが、支配人の部屋を掃除していた時、偶然にも、パリの劇場からの演奏依頼のファックスを目にし、人生は一変する。
そう、映画「オーケストラ!」は、元天才指揮者で今掃除夫の主人公が、共に解雇された元楽団員を集め、偽オーケストラを結成し公演を成功させる、奇跡の物語。
日本では、現在、12頭のパンダがいる。恩賜上野動物園に5頭(リーリー、シンシン、シャンシャン、シャオシャオ、レイレイ)、アドベンチャーワールドに7頭(エイメイ、ラウヒン、オウヒン、トウヒン、ユイヒン、サイヒン、フウヒン)、神戸市立王子動物園に1頭(タンタン)である。上野動物園のシャンシャン、シャオシャオ、レイレイは、今月(6月)が誕生日なので、今、上野の商業施設は、パンダで集客真っ盛りである。
上野動物園には、人気不動のシャンシャン(2017年6月12日生まれ)がいる上、6月23日で1歳になる双子の赤ちゃんパンダ、シャオシャオ、レイレイがいる。パンダの一生のうち一番かわいい年ごろのパンダが2頭も上野動物園にはいる。
ニューヨークとジャージーをつなぐホランドトンネルで、暴走車が産業廃棄物を満載したトラックに激突。トンネル内は炎に包まれる。偶然、現場に居合わせた、元のEMS(緊急医療班)隊長のキット・ラトゥーラ(シルベスター・スタローン)は、EMS隊隊長に、救助活動参加を願い出るが、拒否される。キットは、EMS隊に所属していた時期に死者を出していた。救助をあきらめきれないキットは、EMS指令室で救助活動許可を得て、出口両側が落盤したトンネル内に、海底トンネルの換気口から進入する。僅か数十秒しか止められない超大型の換気扇。一歩間違えれば、換気線の歯にこなごなにされてしまう・・・。かろうじて、トンネル内部に侵入したキット。しかし、トンネルは崩壊寸前。トンネル内に取り残された生存者と飼い犬1匹の運命は???最後の最後まであきらめずに極限まで力を尽くさないと、人を助けることもできないし、自分も助からない。それがこの映画の教訓だ。老夫婦の飼い犬であるジャーマン・ポインターのクーパーが、ストーリー展開の一翼を担っている。
チャッピィとよく川っぷちに行く。ただただ、ぼおっと、川をみているだけだが、気持ちが穏やかになる気がする。水辺のパワーは偉大だ。最近のお気に入りは、永代橋の夜景。清洲橋の次に好きかも。永代橋は、1926年(大正15年)に架けられ、国の重要文化財に指定されている。鮮やかなブルーライトがとても美しく、気持ちが浄化するような気がする。
Excellent movie#4「ジュリエットからの手紙」
江戸東京博物館の「ヴェネツィア展」の帰り、イタリアの映画が観たくなった。ビデオショップで手に取ったのは「ジュリエットからの手紙」、イタリア北東部ヴェローナを起点としたラブストーリーだ。ヴェローナは「ロミオとジュリエット」の舞台として有名で、世界遺産に指定された古ロマンあふれる名所である。
主役は二人の美しい女性。若いソフィーと老齢のクレア、年齢の差こそあれ、清楚で聡明な雰囲気を持つ点で共通している。ニューヨークに住むソフィーとロンドンのクレア、会うはずのない二人がヴェローナで出会い、お互いの恋愛の後押しをする。
東京都現代美術館で開催されている「光みつる庭/途切れないささやき」で、私が衝撃を受けた作品はいくつかあったが、その中の1作、クリスチャン・ボルタンスキー(Christian Boltanski,1944/9/6-2021/7/14)作の「死んだスイス人の資料」を紹介したい。
「死んだスイス人の資料」は、新聞の死亡告知欄から切り取ったスイス人の写真をビスケット缶に張って造った作品である。電球の光が薄暗さをカバーしてくれる唯一のアイテムだ。写真は、戦争の犠牲者ではなく、新聞に告知された死亡者だから、死亡理由は、事故死もあれば病死もあれば自殺もある。靴が一足はいるほどの小さなビスケット缶1つに、写真の顔の人の資料が収まってしまうということだろう。
友人に、東京都現代美術館で開催されている「吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる」のチケットをいただいたので鑑賞。吉阪隆正氏は、戦後復興期から1980年まで活躍した建築家で、コンクリートによる彫塑(ちょうそ)的な造形をもつ特徴的な建築で知られている。吉阪氏は、幼少期はスイスで過ごし、近代建築の巨匠ル・コルビュジエ(1887-1965)に師事、「アテネ・フランセ」などを設計した一方、早稲田大学の教授や、日本建築学会会長も務めた。また、登山家・探検家として、日本山岳会理事や1960年の早大アラスカ・マッキンリー遠征隊長を務めた他、フランス文学者、さらには、思想家として複数の著書を執筆した。
無実なのに妻殺しの容疑で終身刑になったアンディ(ティム•ロビンス)が19年の務所暮らしを経て、脱獄し自由を手に入れるお話なの。どんなに絶望的な状況に置かれても希望があれば克服できることを知ったわ。Hope is a good thing, maybe the best of things. And no good thing ever dies.アンディが一目置く囚人のレッド(モーガン・フリーマン)も素晴らかった。知的センスのある語りに引き込まれたわ。The Shawshank RedemptionAndy (Tim Robbins), who was innocent but was sentenced to life imprisonment for murdering his wife, escaped from prison and gained freedom after living in the office for 19 years. He knew that no matter how desperate he was, he could overcome it if he had hope.Hope is a good thing, maybe the best of things. And no good thing ever dies.Andy's glim...
上野動物園のパンダ舎は、正面の入り口そばにある東園のパンダ舎と、2020年9月8日にオープンした西園の「パンダのもり」の2カ所である。少し前、上野動物園のパンダを観に行った。その時公開されていたパンダは、2017年6月12日生まれの「シャンシャン(香香)」、シャンシャンのお母さんである2005年7月3日生まれの「シンシン(真真)」、シャンシャンの弟、妹となる2021年6月23日生まれの双子パンダ、「シャオシャオ(暁暁)」と「レイレイ(蕾蕾)」の4頭だ。(2005年8月16日生まれのお父さんパンダのリーリーは非公開)、シャンシャンは東園のパンダ舎、シンシン、シャオシャオ、レイレイは、西園の「パンダのもり」で公開されていた。パンダを観るには、インターネットで、抽選に応募し、当選する必要がある。私は、10回以上、抽選に申し込みしてやっとこさ、当選した。
2月後半から5月1日にかけて、ロシアの新興財閥(オリガルヒ)7名とその家族が不審死を遂げていることが話題になっている。「自殺に見せかけた暗殺、口封じではないか」といった世論もある。物騒な話である。
そして昨日(2022年5月9日)は、ロシアの戦勝記念日。第二次世界大戦下の1941年 から 1945年 にかけて、 ナチス・ドイツを中心とする 枢軸国とソビエト連邦間の独ソ戦(German-Soviet War )で、ソビエト連邦が勝利したことを記念する祝日であった。
世界は、記念式典におけるプーチン大統領の演説に注目を寄せていたが、世界の大勢の予想どおり、大統領は、ロシアを被害者と位置づけ、ウクライナ侵攻を正当化した。
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